キミがこの世に生まれた日の喜びを
一緒になって感じあえることに


なによりも幸せを感じていた。





9.366日のうちのたった1日






「じゃあ、いってきます。」

「はい、いってらっしゃいv」

いつもと変わらぬ、毎度おなじみの見送り風景。
とムサシを置いて、自分は任務に向かおうと玄関を出ようとしたその時。


「あ、・・・カカシさん。」

「ん?なーに。」

この時が何か言いたげにしているのを、無理矢理にでもはかせるべきだったと
その日の夜に後悔しても、それは後の祭り以外の何物でもなかった。


「なんでもないです、気をつけてくださいね。」

「???うん、じゃあね。」

ぱたん、と玄関のドアが閉まる音がしてはそっと息を吐いた。


そんなの様子が気にかかったが、声をかける暇もなくさっさとその日も決められた家事をこなそうとは早くも玄関から立ち去る。




せっせと掃除機をかけるに、やっぱり様子が気になったムサシは。

「なァ。」

「んー?なーに、ムサシくん。」
は一時手を止め、話かけてきてたムサシの方へ顔を向ける。


「お前、なんであいつに言わなかったんだ?今日はお前の・・・。」

「いいのよ、・・・いいの。だってカカシさん、お仕事忙しいのにわざわざ私のために時間割くなんてできないでしょー?」

「そんなもんか?人間ってややこしいな。」


そこら辺の犬よりよっぽど人間味あふれるムサシくんが、それ言う?


どちらかと言わなくても、人間よりなこの賢い忍犬のその言い草は傍から見ればどう考えても可笑しい。
「ふふふ、そんなもんだよ。」

「なに笑ってんだよ。」

「別にー?」

そういい残し、は掃除機を持ち直し止めていた作業を再開する。



んな事言って、あとでカカシのヤツ絶対怒るぞ。

俺は知らないからな、とでも言いたげにムサシは日向ぼっこをして気だるそうな瞼を閉じた。



今日は、何を隠そう1年に1度のの誕生日である。


こちらの世界に来てからというものの、慌ただしさと日々の生活になれるのにいっぱいいっぱいで今日が何日か、なんて気にする暇がなかった。
それもようやく落ち着き、の心に余裕が生まれてほっと一息ついた時
日付感覚を取り戻してみれば、明日は自分の誕生日だということに気がついたのは昨日ムサシとのんびり散歩していた時であった。

別にこの歳になって誕生日っていわれてもねー。


。」

今まで、窓際でのほほんとしていたムサシが再び瞼を持ち上げて名を呼ぶ。


「んー?」

「まーなんだ、一応おめでとう。」

「なによ、一応って。・・・でも、ありがとv」

まーたひとつ歳を重ねちゃったよ、ぐらいにしか思っていなかった
おめでとうと言われればそれはそれで、嬉しい気持ちにはなる。






あらかたその日の家事を終えた、午後の昼下がり。

「さーてと、今日は買い物にでも行きますか。」

「ん。」
のその言葉に反応したムサシは、のっそりと身体を持ち上げる。

必要なものを手にとり2人はスーパーへの道をゆっくりと歩いた。
道中、はしきりにこの店はどうだとか道端に咲いている花がどうだとムサシに話かけ
ムサシはというと、イヤがる気配も見せずに相槌を打つ。


「あ、そういえばムサシくんのご飯もう少ししかないんだった。」

「なら、アカデミーの近くのあそこか?」

「ごめんねー今思い出した。」

「べつに構わんさ。」

そう言ってムサシが、方向をアカデミーの方に向けると。

「ついでにさ、アカデミーも寄ってっていい?」

チラ、とは足元にいるムサシを見る。


のスキにしたらいい。」

「えへへ、ありがとv」

2人はスーパーへの道から、アカデミーへと向かう道に方向転換した。


アカデミーといえば、あいつか。


「あれ以来しばらく会ってなかったからさ、どうしてるかなーと思って。」

前に彼に会ったのは、ゲンマに家の近くまで送ってもらって以来だ。
近くまで来たらいつでも寄ってってくださいね、と言ったあの笑顔が爽やかな彼はどうしているだろう。

「相変わらず、子どもたちと戯れてるんじゃないか?」

「それもそうだね。」



アカデミーに着いてしばらく彼の姿を探していたであったが、どうにも見当たらない。
しかたなく近くにいた忍に声をかけ、会いに来た人物の名を告げると今日は受付の方にいるという。

忙しいなら、いいんです。というの言葉も聞かずに親切にもその人は受付まで呼びに行ってくれた。


「大した用もないのに・・・なんだか悪いことしちゃったね。」

ぽつん、とその場に残された2人はそのまま突っ立っていてもしょうがないので、近くの椅子に腰掛けその人が現れるまで待つことにした。

「まぁ、いいんじゃないか。今日くらいわがまま言っても。」

「それもそうだね。」

人にどこか遠慮がちなは、そう言ってもらえたことがよほど嬉しかったのか心なしか顔がほころんでいたように思う。


「お待たせしましたー。」

「あ、イルカさん!」

「お久しぶりですね。」
そう言ってに向ける笑顔は、やっぱり爽やかで人懐っこい。

「得に用はなかったんですけど・・・近くまで来たものですから。すみません、お忙しいところわざわざ。」

「あ、いえ。別に忙しいというほどのものでもなかったんで、気にしないでください。ハハハハ///」

「???」
なんだかイルカさんの顔、赤いような・・・?

不思議に思うを横目に、イルカはせっかくですからお茶でもしに行きましょう。と半ば強引に先を歩いていった。


アイツが余計な事言うから・・・!!!

というのも、同僚がいきなり寄って来てなにを言うかと思えば
「お前もまじめな顔してやることやってんだなー。うらやましいぜ、チクショー。」と言うのだ。
なんの事かと思って詳しく聞くと、アカデミーの入り口にキレイな女性と犬が一匹俺を待っているのだという。
受付の仕事なんて俺が代わってやるからさっさと言って来い!と無理矢理その場から追い出され、
「今度紹介しろよ。」なんて去り際に言うものだから、誰かと思ってきてみれば会いたいな、と頭の片隅で思い描いていた人物そのままだったのでそれはそれで驚いた。

別に、俺とさんはなんでもないんだからな。


目的の場所に着き、ようやくいつもの調子を取り戻したイルカはとの会話を楽しむことが出来た。

「そういえば、これ。この間生徒が授業中に見てるもんだから取り上げたんですけどねー。
 大して興味もなかったんですが、同僚のくの一に聞いたらなにやら最近けっこー有名らしくて。」

すっかり俺もはまっちゃったんです。とイルカが取り出したのはよく当たる!とか書いてある、いうなれば年頃の女の子たちが食いつきそうな表紙の占い本だ。


忍者でも占いとか信じるんだ、なんてのんきなことを初めは思っていただったが。

「それが、バカにできないもんですよ。星座ごとになってるんですけどねーさんの誕生日はいつです?」



・・・・・なんてタイムリーな(汗



「あーえっと、今日・・・です。」

「今日っていうと、・・・・あぁ、あった!って・・・・今日??!!!!!」

がた、と驚きのあまりイルカは椅子から立ち上がってしまった。


「イルカさん、声でかいです。」

「あ、すみません。」
座る前に、突然大声を出して店内の客にも迷惑をかけたことに対してイルカは丁寧に謝った。


「今日って、本当に今日ですか?」

イルカはこの偶然が未だに信じられないようだ。


「ははは、偶然にも今日・・・なんです。」

は笑っているが、イルカにしたらさらっと流せるないような軽い内容ではない。


「どうしてもっと早く言わなかったんです」

「え?いやーその、わざわざ私誕生日いついつなんです。っていうのも、ずうずうしいといいますか・・・。」

まだ数回しか会って話をしていないが、その中での彼女を見ていればそう言うのもなんだか頷ける気がする。


「じゃあ、ここは俺が。」

そんなの悪いです!と断ろうと思ったけど、頑なに拒むのも悪いしね。
ここは素直にイルカさんに出してもらうことにしよう。


店を出て、しばらくアカデミーへの道を歩いていたがは用事があることを思い出した。

「では、用があるのでここで。今日はなんだか色々とありがとうございました。」
は仕事の邪魔をしただけでなく、そんなつもりはなかったのにずうずうしくも奢ってもらってなんだか悪いなーと思い深くお辞儀をした。

「いえ、今日はさんの誕生日ですから。今度きちんと祝わせてくださいね。」

「そんな!今日でもう十分祝ってもらいました。」
これ以上されたら、なんだかいたたまれない。



さん、俺なんかに誕生日祝われるの嫌ですか?」


そう言ったイルカの表情は普段の彼からは想像できないくらい寂しそうな顔をしている。


「い、いえ!あの、これ以上は悪いなと思って。別に嫌とかそんなこと全然思ってないですし!!」

慌てて言うの言葉にほっとしたのか、イルカの顔はいつもの爽やかスマイルに戻った。

それから、爽やかに加えてはにかむような笑顔を浮かべると。
「なら、よかった。あ、」

「え?」





さん、誕生日おめでとうございます。」





「////ありがとうゴザイマス。」

・・・・イルカさんの笑顔って反則だと思う。


「思うよね?ムサシくん。」

「バカ、俺に振るな。」

「???」



イルカとはまた今度、と次の約束をしてその場で別れた。
当初の目的であった買い物を終え、自分の住まうカカシの家に帰り着いたのはすっかり日が落ちて時計も夕方にさしかかろうという時間帯だった。


いつものように夕食の準備をしていたであったが、どうにも先ほどから違和感を感じる。
ムサシを見ると、ぴくっと耳をたて「あぁ、カカシが帰ってきたようだ。」と言ったので出迎えようと玄関に向かったが、カカシの方が一足早かったようだ。


「・・・ただいま。」

「おかえりなさい。・・・・???どうかしたんですか?」

なんだかいつもと違うカカシの様子に、は黙って靴を脱いでいる彼の姿に声をかけた。


なんていうか、・・・・ちょっとカカシさん機嫌悪い?

先ほど感じた違和感も、カカシが発する機嫌の悪いオーラが届いたのかな?と思うほどに
目の前でむっす、としているカカシは明らかに怒っている。



無言での前を通り過ぎ、馴れた手つきで身にまとうものを外しポイポイその辺に放り投げるカカシ。

どうしてよいかわからず、は後を付いていく。


そんなおろおろするに見かねてカカシは、




「なんで今日、誕生日だって言わなかったの。」




!!!
カカシさん、それどこで聞いて・・・?


「任務終わりに報告書だしに受付にいったらさ、イルカ先生がいて。嬉しそうにしてるからなにかと思ってたずねてみたら、
 今日たまたま知り合いが訪ねてきて話をしていたら、偶然今日が誕生日だってことがわかってさっき祝ってきたところなんです、って。」


ふぅ、と一呼吸おきカカシは話を続けた。


「まさか、と思ってその知り合いの名前を聞いたらっていう女性なんだってさ。
 そういえば、オレの知り合いにもって名前の女の人がいたなーと思ったんだけど気のせいかなー?」


そこまで言ってカカシはチラ、との様子を窺った。
目の前のはいたたまれないのか、だいぶ小さくなっている。

そんな2人の様子を、遠くからほれみろと言わんばかりにムサシが眺めていた。


あんまりいじめるのもかわいそーかな。


「今朝出掛けに言おうとしたのってそのこと?」

ようやく怒った空気がなくなっていつもの声に戻ったカカシに気づき、は顔を上げた。


「あ、・・・はい。」

「なんで言わなかったの。」

「いや、あの私も最近まで忘れてて。
 別に年取るのなんて大して嬉しくないし、カカシさん忙しいのにわざわざ今日が誕生日ですって言うのもなーと・・・・思ったのですが。」


はぁー。
カカシは隠さず、ため息をついた。



「別に、遠慮することじゃないでしょ?そういうのは、きちんと言いなさい。」


「カカシさん、ごめんなさい。」

本気でしょんぼりしているが、かわいそうだけどなんだか可愛くも思えるなんて。
こりゃーオレも末期だね、とひそかにカカシは思った。


がちゃんと言わなかったことに少し腹がたったが、それは彼女の性格を考えるとまぁしょうがない。
問題は自分も知らなかったことをイルカが知っていたことだ。


イルカ先生も、要注意人物だからなー。
ってかオレより先ににおめでとうって言ったなんて想像しただけでムカつくでしょ。


とまぁ、用はカカシのたんなる嫉妬である。


でも、イルカ先生がいなかったら今日がの誕生日だって知らずにすぎてた可能性もあったんだし。
・・・・・ちょっとはイルカ先生に感謝、かな?
ほんとにちょーっとだけだけどね。



「まぁ、それは置いといて。さっさとご飯食べようか。」

「あ、まだ全部出来てないんで先にお風呂入ってきてください。」

「ん、りょーかい。」


お風呂に向かう前に、時計を横目に見ると



・・・あと5時間しかないじゃない。


風呂の間中、その5時間でなにをしてやれるかを考えていたカカシであった。


一通り、食事も終えは1人キッチンに片付けに向かう。



カカシさん・・・アタシが今日誕生日だって自分で言わなかったから、言ってくれないのかな。


あれから、いつものように食事をしながら会話を交わしたが今日がの誕生日だということを知ったのにも関わらず、
カカシは一向にその言葉を口にしない。


それがなんだか、寂しいであった。



一方カカシはというと・・・。
誕生日くらいの代わりに後片付けをするべきだと思ったが、
用があってあえて帰さずに残しているムサシと、待ってましたと言わんばかりにこそこそと会話をしている。


「オマエ、知ってたでしょ。」

「・・・なにがだ?」

「とぼけんじゃないよ、ったく。知ってたらなんで言わないの、オレが怒るの判ってたでしょーよ。」

「俺はちゃんと言ったぞ、に。」

「・・・なんて。」

「なんでカカシに言わないんだって。」

・・・・・。
「あーもう、そんなんじゃがオレに言うわけないでしょ。んな回りくどいことぜずに直接オレに言えよ。」

コイツは賢いくせにどこかズレてんだから、とカカシは半ばあきれていた。



が言わないのに俺が勝手出来ないだろ。」



「・・・・・あのね、オマエ最近主がオレじゃなくてになってなーい?」

「気のせいだろ。そういえば、なんでに言ってやらないんだ?」

「いーの、オレにはオレの考えがあるから。そういえばムサシはいつ言ったワケ。」


ヤバイ・・・・(汗

「いやーあのだな。」

お茶を濁すムサシの様子に、納得がいったのか
「まさか、今日朝イチにってわけじゃないよねー?ねぇ、ムサシクーンv」


だから、そのハートが怖いんだっつの。


「す、スマン。だって言わないわけにいかないだろ(汗」


「ダーメv今度の修行の時までオレしーっかり覚えてるからね。」



こうなるなら、勝手をしてでもカカシに伝えておくべきだったと後悔したムサシであった。



無事ムサシとの用も済んだカカシは、他の忍犬たちの元へと帰してやった。

ー?ごめんね、片付けまかしちゃって。」

ひょこ、と顔を出しキッチンの様子を窺がうと片付けはもう終わっているようだった。


「あ、いえ。いつもの事ですから。」

「んじゃ、でかけよーか。」

「え?今からですか??」

「そ、今からv」

が答える間もなく、カカシはすばやくを横抱きにし靴を片手に玄関を飛び出した。


「わゎっ!!ど、どこいくんですか?」

「ひーみつvv」


ようやくたどりついたその場所は、以前カカシに連れてきてもらった夕焼けがキレイなあの高台だ。

「芸がなくて悪いんだけどさ。」

ベンチに降ろして靴を履かしてやると、は目の前に広がる夜景にすぐに心奪われたようだ。


「わー!!!キレイーvvv」


以前見た夕焼けにそまる木の葉の里も十分に美しいと思ったが、
あちこちでまどから漏れる光や看板の電飾がキラキラと輝いているようで
あの中にいる時はそうでもないのに、こうして上から見ているだけでどうしてこんなにキレイに見えるのだろう。
とフェンスに駆け寄りは思う。



夢中になってが見ていると、首元からチャリ、と音がして急に少しの重さを感じた。


手にとってみると、それは普段カカシがしている銀色のドックタグのネックレスだった。

後ろにいるカカシを振り返り、は驚きの表情を浮かべた。
「え・・・あ、これ。」

「今日知ったからさ、なーんにも用意してないんだよね。プレゼント。」

「そんな!いいですよ、いつもお世話になりっぱなしだっていうのに。誕生日プレゼントなんて頂けません!!」


すぐにネックレスを首から外してカカシさんに返そうと思ったのに、うなじに回した腕は両方ともカカシさんの手に捕まって動けない。

「いーの。オレ、あげれるものなんてそれくらいしかないんだから。」

ね?と言われて、頭を撫でられたらそりゃー大人しくするしかないじゃない。


「あの、でもこれ・・・大事なものなんじゃないんですか。」



「んー?ま、親父の形見なんだけどね。ソレ。」

えぇぇえええ!!!?
そ、そんなのもらえないよ!!!!


「ダメです、そんな大切なもの受け取れません!!!」

今度こそ、と再びうなじに回した腕はふわ、とカカシさんに抱きしめられた所為で結局は出来ないまま。




「あ、あああのあの。離してください/////」

「くくく、ダーメv」

は今まで男の人に抱きしめられるなどどいう経験をほとんどしたことがないので、どうにも慌てっぱなしだ。

っていうか、私にどーしろっていうのよ(汗


「カカシさん///!!!」


恥ずかしくて自分でも顔が真っ赤になっているのがわかる。
だ、だってなんだかカカシさんいい匂いするし・・・。
うわぁ!って何考えてんのよ私!!も、ムリ。ムリですって!!!

自分の腕の中でがあわあわとしているのをカカシはしっかり上から堪能していたw


「かわいーからもう少しv」

「なに言ってんですか?!もう限界で脳みそとろけますって!」

「えーだってこうしてないと、ネックレス外しちゃうでしょ?」

「外しません!外しませんから離してくださいぃー(汗」


あーあ、もったいないv

これ以上は限界か、と悟ったカカシは名残惜しみつつもを己のうでの中から開放してやった。



「くくく、別にオレが抱きつくのなんて初めてってワケでもないのにったら慌てすぎ。」

「う、後ろからと前からでは違うんです!」


そーいうもんかねぇ、というカカシののんびり発言も今のには届かない。


「ソレ、」

「はい?」

さっきまで、私のことからかってたのに・・・。
カカシさんてばいつも急なんだから。

カカシがまじめな話をする前は、照れくさいから決まってこうしてからかっているというのをはまだ知らない。



「そのネックレス、とーっても大事なモンなの。」

「え?なら、やっぱりお返しします!」

「ダーメv」

「だって・・・・。」





「だからさ、が持ってて。・・・・それつけたまま黙っていなくなったら許さないからね。」





あ、


どうしてこの人は・・・。


木の葉の里に慣れていく度に
ふと思うのは、いつか帰ることになった時自分は素直に帰りたいと思えるだろうかということだった。



いつもカカシさんは、私が欲しい言葉をくれる。
不安をプラスに変えてくれる。



なんてあったかいんだろ、とこみ上げる嬉しさにの目からは涙が一筋流れていた。



「私、思うんです。こうして、毎日当たり前のようにカカシさんと食事をしたり話をしたり、毎朝ムサシくんとお見送りをしたり、
 当たり前だと思っていることが普通にすぎていくのって実はとっても幸せなことなんじゃないかって。」



。」

「たまには、カカシさんにステキなところに連れてきてもらうのもすっごく嬉しいんですけど。
 ・・・・でも、いつも通りにすごせることがなによりも私にとってもプレゼントなんですよ。」


おしげもなく最高の笑顔をカカシに向けてくるは、いつ死が訪れるかわからない忍の世界など何も知るワケがないのだ。




なんで、こう・・・この子はオレを喜ばせるのがうまいかねぇ。

あーもう、ムリ。
オレ、いいかげん我慢の限界なんですけど。





「ねぇ、。キスしていい?」





真顔で問いかけるカカシは決してからかっているわけではなかったが、
それはそれで、いいですか。と聞かれて、はいどーぞなどとは簡単に言えないのがという女性なのである。

「な・・・だっっ、ダメです!!!!」

なんでこんなことになっちゃうの〜〜〜
キ、キスなんて恥ずかしすぎてムリー!!!!!!!



あわあわするを見て、これ以上は熱を出してしまうのではないかと思われた。


あーららざんねーん。
ま、また今度のお楽しみってことでv


くい、とのうでを引き再び己の腕の中に抱き寄せた。


「じゃあ、今日はこれで我慢するね。」


・・・・カカシさん、心臓にホンット悪いんで耳元で囁くのやめてください(汗





?」


「はい。」


「一番最初に言えなかったから、今回の誕生日は一番最後に言おうと思って。」

「???」
は恥ずかしさから、カカシの胸にうずめていた顔をあげ言葉の続きを聞こうとカカシを見た。





「誕生日、オメデトvv」

カカシは精一杯の笑顔を向けた。


ちゅv

のおでこにキスをおまけにつけて。




その後、がしばし固まっていたのはいうまでもない。











以上、ヒロインのお誕生日夢お送りしましたv
いかがでしたでしょうか。これでこの2人まだ付き合ってないんですよーw
ちょっといつもより積極的なカカシ先生ですv
カカシ先生に誕生日祝われたら幸せ飛び越えて悶絶ですよ。

来月はカカシ先生のお誕生日ということで、それならヒロインの誕生日も祝っちゃえ!
とえいやーと書きなぐったものでございマス。